短⼤・⾼校・中学・幼稚園・保育園を運営する、千葉明徳学園

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土と生命(いのち)の学習

「つながり」をテーマに持続可能な未来社会を考える。

総合的な学習の時間は、まさに「思考する学び」の時間そのもの。本校では開校以来、中学1・2年次の総合で「土と生命の学習」に取り組んでいます。テーマは「つながり」。物事を「ジブンゴト」として捉えるために「食」に起点を置き、人と人、社会、自然、世界とのつながりを考えます。

農作業を切り口に「行動」を起こす

学習の柱となるのは、校舎前の自然フィールドで体験する農作業。校舎の目の前の田んぼや畑で、米作りや夏野菜栽培を行います。これらの体験を出発点とし、食文化や社会の仕組み、環境などに関心を広げます。田植えや種まきから始まり、観察、手入れをした後に収穫を経験でき、身近な場所で行う活動ならではの「ジブンゴト」としての学びがあります。もちろん成功ばかりではなく、うまく育たない時にも「思考」するからこそ「学び」が深くなります。この実体験をもとに、班ごとにテーマを設定して「まとめて・書いて・発表する」探究学習へと進みます。

1・2年合同グループ

1・2年生合同で6~8名単位のグループを作り、さまざまなテーマの探究学習を行います。実際に農作業を行う中で感じた様々なつながりから、自分たちが大人になった時、どのような課題に向けて取り組まなければならないかを話し合います。このときの指標となるものがSDGs(持続可能な開発目標)。「自分」「社会」「多様性」のジャンルで各2つのテーマについてグループ学習を行い、その成果は「明実祭」で発表します。その後は学年ごとに分かれ、1年生は2年次に取り組む作物についてゼミ活動を続け、2年生は課題研究論文に向けての学習にシフトします。

アナログでポスターにまとめる

土と生命の学習の発表で使うのは紙のポスター。ICT教育に力を入れている本校ですが、ここはあえてアナログでまとめることに意義を見出しています。自分たちで選んだ色の台紙に、工夫しながら要点をまとめ、相手に伝わりやすいレイアウトを考えて仕上げていく、そんな工程がグループでの「思考する学び」そのものになります。こうして仲間と協力して作り上げたポスターをもとに、プレゼンテーションの内容を考えます。

生徒全員、一人ひとりのプレゼンテーション

「土と生命の学習」のプレゼンテーションは、生徒全員が、一人ひとり行います。代表者だけが行うわけではありません。グループの中で全ての発表内容を共有し、メンバーがそれぞれ分かれて同じ内容の発表をすることになります。自分の発表以外の時間には別のグループの発表を見て回ることで、発表する側にも、見る側にも責任感が芽生えます。

中学生メッセージ

体験から見つけた課題に試行錯誤して取り組みました。
中学3年生 R.Nさん
中1のとき、田植えをして稲を育てる中で、畔から水があふれてしまい、「もったいないな」と感じたことから、中2で田んぼの水漏れを改善するチームに入って活動しました。4〜5名ごとの4グループに分かれてそれぞれ試行錯誤した結果、トタン板を畔に埋めてその上に土を盛る方法で水漏れが改善し、とても嬉しかったです。文化祭でプレゼンターとして発表できたのも自信になりました。今後もこうした活動に積極的に挑戦していきたいです。

卒業生メッセージ

貴重な体験を通して、視野を広げることができました。
2018年卒業 K.Sさん 東京理科大学 理学部 4年生
中学時代、「土と生命の学習」で田植えをしたことは、強く印象に残っています。初めての経験でワクワクしたことや、友だちと一緒に泥だらけになって笑い合ったことなど、ついこの前のことのように思い出します。明徳では、こうした貴重な体験を通して、環境や社会の問題を自分事としてとらえ、視野を大きく広げることができました。その中で、初めてのことでも臆さずに飛び込める心が育ち、体験から学ぶ姿勢が培われたと感じています。

稲作・農業体験

校舎の目の前に本物の田んぼを作り、苗の栽培から田植え、収穫までを体験します。また校内で野菜の栽培も行っています。水位や肥料の管理も生徒自ら行い、食物を育てることの難しさを学び、実体験で得た知識を知恵へと昇華させます。収穫したお米や野菜は家庭科の授業で調理し、自分たちで作った喜びをかみしめながら、一連の活動を振り返ります。

1・2年生合同の稲作体験を通じて「人と人」「人と自然」のつながりを実感する教育です。稲作にまつわる生命・歴史・文化を学び、学年を超えた絆も芽生えます。

理科/社会/家庭科 他
教科横断型授業で接続可能な未来を考える
グループ学習
「まとめて」「書いて」「発表する」
 

教科横断型授業で発生したそれぞれの問題をグループ内で協力して解決していく。それにより、総合的に問題を解決する能力を身につけます。

研究発表

中学1、2年生では土と生命の学習で取り組んだ事柄について、1、2年生で構成された7〜8名のグループごとにまとめて模造紙による「研究発表」をします。その舞台は本校の文化祭である「明実祭」です。仲間と一緒に発表の準備をする中で、協力することの大切さを学ぶとともに、文章表現や、プレゼンテーションの能力を養います。