学園ニュース

学園ニュース 2018年11月号(224号)

【法人】

■◆■法人事務局 企画管理課長兼広報室 海老沢 太郎■◆■

 11月22日(木)に、学校法人千葉明徳学園100周年記念事業講演会として海部 陽介氏(国立科学博物館 「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」代表)による講演会「日本人はどこから来たのか?-航海者だった祖先たち‐」が開催されました。
 海部先生が現在取り組まれている『3万年前の航海 徹底再現プロジェクト』は、我々の祖先が最初に日本列島に渡来してきたルートとして想定される3つのルート(対馬ルート、沖縄ルート、北海道ルート)のうち、最難関の沖縄ルート(台湾→与那国島)の航海を再現する取り組みで、研究、航海実験により、「祖先たちの大海原への挑戦」を出来る限り詳細に解き明かし、未知の世界に挑んだ祖先たちの知られざる姿と日本人のルーツに迫る、ロマン溢れるプロジェクトです。
 当日の講演では、『3万年前の航海 徹底再現プロジェクト』について、①当時の舟は遺跡に残っていないことから候補として考えられる草、竹、木の3つの材質による舟を作成し海上テストを行いながら可能性を絞り込んできたこと、②2016年・2017年に行われた航海実験において草舟、竹船による実験航海を行い、浮力、安定性、耐久性においては優れた舟を作成できたものの期待したほどに速度が上がらず、台湾と与那国島の間に流れている巨大な黒潮を越えるには課題が残ったこと、③2019年に予定されている本番の実験航海においては、速度の出やすい丸木舟(3万年前の石器(刃部磨製石斧)で大木を切り倒し、中をくり抜いて製作することで当時の道具で丸木舟を作れることが実証された。)で臨むこと等をお話し頂きました。
 講演終了後の質疑応答では、生徒からの質問が絶えず、講演終了後も直接質問をしに行く生徒が殺到する等、例年以上に積極的な姿勢が見られ、大盛況のうちに終了しました。開催にあたり、ご協力頂きました教職員の皆様へ、この場を借りて御礼申し上げます。




【高等学校】

■◆■千葉明徳高等学校 教諭 渡辺 哲史■◆■

◇はじめに
 今年度の研修旅行は、ハワイ島キラウエア火山の噴火により、行き先がカリフォルニア州ロサンゼルス(以下、LA)へ変更となった。生徒の安全面を考慮すると英断であったと感じる。行程については、「より良いものを提供したい」という観点から直前まで旅行会社:デセオ&カンパニー(以下、デセオさん)と内容を詰めた。結果として、生徒・保護者には、変更に次ぐ変更で不安感を抱かせたことは否めないが、すべては研修旅行の充実と生徒の満足度を高めるために尽力した次第である。
 私にとって2年1組(一貫4期生)は、特別な思いのあるクラスだ。12、13歳から今まで苦楽を共にしてきた、家族のような生徒たちとLA研修旅行に行けたことは感慨無量である。この経験を、私も生徒も今後の学校生活に生かしていかなければならないと思う。
 また、今回の研修旅行は、理科研修の要素だけではなく、ホームステイやカレッジなどを中心とした語学研修のプログラムも織り交ぜ、英語に触れる機会を大幅に増やした。今回の報告では、語学研修と理科研修の2つを柱に述べていく。


◇語学研修の側面より
〔ホームステイ、FLSサドルバックカレッジ校、LA市内視察、企業訪問等のプログラム〕
○ホームステイ
 今回、最も大きく変更した点は、ホテルステイではなくホームステイになったことである。そのことを発表した際、生徒は非常に驚いていた。しかし、私にとっては望むべき変更であった。というのも、私が明徳高校に在校していた時代(特進2期生)は2年次の研修旅行でカナダにホームステイ(約2週間)をし、その経験こそが、私が英語教員になった所以だからである。英語を話さざるを得ない状況に身を置くことで、必然的に英語を話す時間が増える。頼る人がいないことで、自分の手で何とかしようと試みる。そして、自分の話す英語が通じたとき、相手が言っている内容を理解したときには、言語を学ぶ手応えと喜びを感じることができる。それだけではなく、ホームステイは、文化を四六時中ダイレクトに体感することができる最善の方法である。当然、カルチャーショックを受けたり、ホームシックになったりなど、マイナスとなる事柄もある。しかし、私は、そういった経験を経てこそ、文化の比較や異文化理解が成されるのだと考える。
 今回のホームステイにおいて、大きな問題は起こらなかった。一部、食事面の不適合や迎え時間の遅延、水周りの掃除が不十分であるなどの些細な事柄はあったが、ビジネスライクな姿勢の家庭はなかったと聞いている。実際に、私自身も各ホストファミリーと出来る限り多くコミュニケーションを図ったが、生徒に対して寛大であり、愛をもって接してくれていると感じた。
 渡米前日や当日に、ホストファミリーが急遽変更になるという不安要素はあったものの、現地での待遇を振り返ると、その心配を払拭するくらい恵まれた環境にあったと言える。

○FLSサドルバックカレッジ校
 ロサンゼルス国際空港(LAX)到着時からほぼ全てのアクティビティにおいて同行してくれたバディ達をはじめ、FLSの日本人マネージャーである吉岡さんやサドルバック校の校長、授業担当の先生方など、携わっていただいた全ての方々から熱心なサポートをしていただき、素晴らしい待遇であった。アクティビティの関係上、学校での活動は3日間(初日はレベルチェックテストだったので,レッスンは実質2日間)であったが、何よりも授業への満足度が高く、特にBクラスのメンバー(日本での授業時と大して変わらないメンバー構成)からは、「会話表現で○○を学んだ」、「この前、コミュ英でやった表現が出た」、「90分間があっという間ですごく楽しかった」というポジティブな感想を多数聴けたことはとても嬉しかった。
 施設見学では、日本との規模の違いはもちろん、アメリカでは一般的な文系・理系だけではなく、芸術分野や美容分野も学問として広く認知されているということを肌で感じた。
 また、偶然であるが、Aクラスは、日本の高校卒業後すぐにアメリカへ進学した方から話を聴く機会があった。担当してくださったエドマラ先生のアイディアで急遽クラスへ招いていただき、15分ほどではあったが、進路の視野を広げる良い機会となった。
 学校側が用意してくれたウェルカムランチ、フェアウェルランチに関しても好評で、総じて満足度の高いプログラムであった。

○LA市内視察
 私たちが滞在したミッションビエホはカリフォルニア州のオレンジカウンティーに属し、LAXから南に90km程のところに位置している。全米屈指の高級住宅街であり、治安の良い街として知られている。ただし、電車等の公共交通機関が発達していないこともあり、日常生活では車がないと非常に不便な街である。そこから、観光地でもある、LAの中心地ハリウッドを訪れた。平日の早い時間帯ということもあり比較的スムーズに行けたが、それでもバスで2時間ほどかかった。ハリウッドは観光地だが、そこまで混んではいなかった。最初にチャイニーズシアターへ行った。著名な俳優たちの手形や足型に、生徒の興奮度も増すばかりであった。次は、アカデミー賞の会場でもあるドルビーシアターへ行った。普段は中々写真を撮ることの出来ない大階段で集合写真を撮影できた。先入観もあったと思うが、単なるシアターとは違い、厳かな雰囲気であると感じた。
 昼食は、ハリウッドから少し離れたファーマーズマーケットで取った。日本で言う市場のような場所だ。ここでは生徒が各々で好きなものを購入した。店員さんとコミュニケーションを図らなければならない状況に身を置かれたことで、注文や支払い等で何とか伝えようという姿勢が見られた。単に昼食を取るだけでなく、ホスピタリティなどアメリカにおけるサービスの質(良いか悪いかを別として)を肌で感じることができたようだ。また、自由行動の際は3人以上で行動することを徹底し、特にトラブル等はなかった。
 昼食と合わせ、しばらく自由行動をした後、グリフィス天文台へ向かった。映画『ラ・ラ・ランド』のロケ地でも知られるその場所は、生徒にとっても関心が高く、今回訪問する中で特に楽しみにしていた場所のひとつでもある。1896年より存在するグリフィス公園内に、1935年に完成したグリフィス天文台は、2002年から2006年まで大規模なリニューアル工事が施され、今の姿となった。アールデコ調の趣がある建物の中には、最新技術が搭載されたプラネタリウムもある。今回は残念ながら見ることができなかったが、歴史的な建造物にうっとりするばかりであった。外へ出るとLAの街を一望でき、まさに絶景である。すぐ近くにはハリウッドサインがあり、LAの中心部であることが実感できた。欲を言えば、夜に訪問し、何も遮るものがないこの場所で満天の星空やLAの夜景を見てみたかったが、それは次回の楽しみに取っておく。
 ミッションビエホの閑静な住宅街に留まるだけでなく、LAの観光スポットを巡れたことで生徒の興味関心をより引くことができ、この街を更に知りたいと思わせたに違いない。

○企業訪問(MUFGユニオン・バンク)
 企業の歴史に関しては省略するが、日系金融グループの在米銀行としては世界最大規模であり、カリフォルニア州では5番目に大きい銀行だ。今回は、そのガーデナ支店を訪れた。支店長であるサイトウ ゲンタロウ氏(日本人)が対応してくださった。
 正直、企業訪問については、事前学習等でも生徒の反応は悪かった。中学校3年生のときに国内のベンチャー企業を中心に、企業訪問を実施していたので、「またか」というイメージが先行していたのだろう。しかし、いざ行ってみると、生徒のネガティブな先入観を打ち破る程、充実した内容で、満足度120%であった。
 最初は、店内の施設設備に関する説明を受けた。見た目で日本と大きく異なる点は、「防弾ガラス」が設置されていることである。カウンターには天井まで続く防弾ガラスが備えられており、銃社会であることを実感した。また、日本よりプライバシーを重んじるためか、カウンターだけではなく顧客との商談スペース(個室)が多いようにも感じた。
 その後、2階の会議室へ移動し、サイトウ氏の講演を聴いた。一通りの自己紹介を終えた後、質疑応答となったのだが、生徒は前のめりになりながら、次から次へと手を挙げ質問していた。事前に、「質問を1人3つ考えてくるように」という宿題があったのだが、それだけではなく、支店長の卓越した話術に惹かれた、「尋ねてみたい」という好奇心をくすぐられたからであろう。訪問前のネガティブなイメージは一転し、生徒は皆、「アメリカと日本で働くということの差は何か」について興味津々な様子で、銀行のことを聞くというより、アメリカで活躍されているビジネスパーソンに対して、働くことの意義や幸せなど、すぐに答えの出ないような深い質問を投げかけていた。約30分間の質疑応答であったが、一度も間が空くことはなく、時間が足りないと感じるほどであった。
 日本、アメリカ、それぞれで働くことの良い面・悪い面はあるだろうが、活躍されている人の言葉には通じるものがある。皆、人生のどこかで失敗しているのだ。壁にぶつかり、それを乗り越え、今があるということを感じたことだろう。最終のアクティビティ(金曜日の午後)として盛り込まれた企業訪問は、生徒にとって強いインパクトを残した。


◇理科研修の側面より
〔CAサイエンスセンター、USC訪問、Whiting Ranch Wilderness Parkのプログラム〕
○カリフォルニアサイエンスセンター
 スペースシャトルのエンデバー号が展示されていることで有名なCAサイエンスセンター。コミュニケーション英語(コミュ英)のBクラスでは、教科書ELEMENTで丁度エンデバー号を学んでおり、その後に実物を見ることができたことは最適な事後学習ともなった。やはり事前知識をつけた後に本物を見ると見方が異なる。単に迫力を感じるだけではなく、宇宙ゴミとの衝突によってできたボディ表面にある傷を探してしまうのは、教科書を読み知識があるからこそできることである。今回は、世界で唯一現存するスペースシャトル(しかもレプリカではなく実物)を見られたという経験にとどまらず、中学校1年生のときにJAXAで行った宇宙技術見学と連動して、非常に有意義な経験になったことだと考える。
 サイエンスセンターには、エンデバー号だけではなく、その他にも魅力的な展示物が多く、1日いても飽きないくらいである。「人体の不思議展」のようなものが常設されていたり、ハリケーンの成り立ちや風速を体感できたり等、内容も多岐に渡り、とにかくサイエンスに対する興味をくすぐる施設であった。

○USC(南カリフォルニア大学)訪問
 全米屈指の学費が高い大学である。アポロ11号で知られるニール・アームストロング船長や映画監督のジョージ・ルーカスなど、多くの著名人を輩出しており、安倍信三首相もここで学んでいる。
 そのような大学を訪問できたことは非常に貴重な機会となった。残念ながら学生との交流や授業を聴講することはできなかったが、アメリカ最高峰にあたる大学の雰囲気を五感で感じることができ、生徒の学ぶ意欲をより刺激したことだろう。

○Whiting Ranch Wilderness Park(以下、国立公園)
 サドルバックカレッジからバスで20分程のところにある国立公園である。8:30頃からトレイルを始めた。日本には無い、乾燥している気候特有の植物があり、歩いているだけで異世界を感じることができた。昔は川があったそうだが、今はその跡のみが残り、植物の緑さえほとんどない。降水量がいかに少ないかが分かる。地肌がむき出しとなり、少しの水で生きられるサボテンが生い茂る。2時間ほど歩くと、土の質が変わり、赤くなってくる。ゴール地点はRed Rockと呼ばれるところで、まさしく辺りは赤い岩に囲まれていた。足場が決して良いとは言えない中、生徒は皆よく歩を進め、全員でトレイルを終えることが出来た。保護区域に指定されているため、草木や土に触れることはできなかったが、その光景は明らかに日本には無いもので、生徒は中学校2年生のときに経験した林間学校(尾瀬)でのハイキングと良い対比ができたことであろう。


◇事前指導・事後指導について
○事前指導
 外国語科の教員として、また担任として中学校時代から携わってきたからこそ、今回の研修旅行はその集大成として「英語を使い、世界とつながる」体験に結び付けたいと強く願っていた。
 英語の授業内ではA・Bクラス共に簡単な会話表現を学び、また文化の違いを伝えた。例えば、ドア。日本は引いて開けるくドアがほとんどであるが、アメリカでは押して開けるドアが多い。それはなぜなのか・・・について、一定のヒントを与えて考えさせ、興味関心を引き出した上で渡米させた。現地で再発見し、更に考える良い機会となったことだろう。
 また、行程が確定して以降は、訪問先の下調べを行った。生徒主導の学習ではなかったが、私が中心となり、サイエンスセンターやUSC、国立公園等をクラス通信や朝・帰りのSHRを利用して紹介し、事前知識の定着につなげた。
 企業訪問については、日本とアメリカでの働き方の違いを伝えるだけでなく、考察し臨むようにした。日本では年功序列が主流だがアメリカではどうなのか、日本では月末に給料が振り込まれるがアメリカではどうなのか、日本は電車通勤が多いがアメリカではどうなのかなど、疑問の種を撒いたことで、生徒はよりポジティブな状態で質問を投げかけることができたように感じる。
 何より、中学校1年生から今まで常に伝えてきた、「私たちはなぜ英語を学んでいるのか」について、生徒が考えて臨んだことこそが最も意味のあることだったと感じる。これまで、私の体験談をベースに、どれだけ机上で学んだとしてもそれを使えなければ宝の持ち腐れであり、語学はテストで良い点数を取る為に学ぶのではなく、人とコミュニケーションを取る為に学んでいるのだということ、文法が破綻していても単語力があればなんとか伝わるということ、「○○を伝えたい」という気持ちこそが大切だということ等を、授業内外で話してきた。それを今回生徒は見事に理解し体現してくれた。伝わったときの喜び、友人が増えたこと・・・様々な経験をし、その瞬間こそが、英語(多言語)を学んでいる意味に触れたと私は思う。

○事後指導
 生徒は現在進行形でレポートを執筆している。語学研修と理科研修の2つの側面から、それぞれが経験して学んだこと、またそこから新たに抱いた疑問などを盛り込み、まとめている。12月下旬に冊子化し、生徒の学んだ軌跡として残す予定だ。
 それだけではなく、12月22日(土)の終業式後に発表会を実施する。ホームステイ先での様子、アクティビティでの気付きなどについて個人、グループで発表してもらう。学んだことをまとめるだけではなく、それを誰かに伝えるということは非常に重要である。
 学校に戻って最初のSHRで、今回の研修旅行についてバディに相談・依頼した際の動画を見せた。バディが「英語を学ぶ意味」について語ってくれたものである。生徒は、3人のバディからの熱いメッセージを真剣に見ていた。その目は「LAは楽しかった」という懐かしさに浸るだけでなく、「この経験をこれから必ず生かそう」と切り替えている(未来志向)ようにも感じられた。私たちもお礼の動画を撮り、バディや職員の方に送った。
 帰国後に素早く切り替えられたことは非常に良いと感じる。「郷に入っては郷に従え」ではないが、日本でやるべきことはたくさんある。今回の研修旅行が充実したものだったからこそ、次の行動へも移しやすいだろう。目標が決まれば、おのずとやるべきことも決まる。
 事後学習の一環としてレポートの作成と発表会がある。しかし、それだけではない。ほんの少しでもアメリカを齧った今回の経験を今後に生かすのだ。何人かは高校卒業後、アメリカでの進学を真剣に考えるかもしれない。また、日本の大学に進学しても、その後、アメリカの大学院を志すかもしれない。それが正解か否かではなく、日本が全てではないという視点を持ち(もちろんアメリカが全てでもない)、今ある環境から飛び出し、自分の可能性を試してみることだ。日本を知り、世界に羽ばたき、また戻って来たって良いのだから、自分の世界を広げる為に、多くの機会を活用して欲しい。コミュニケーションの得意不得意ではなく、常に言語に対して能動的な姿勢であること・・・それを今後の人生において生かして欲しい。これこそ最大の事後学習である。


◇おわりに
 今回のLA研修旅行に携わっていただいた全ての方々に感謝を申し上げる。担任として近くから見ている分、日頃は4期生の成長を感じることは難しい。しかしながら,今回の研修旅行では、生徒の成長を実感した。英語ができるかできないかではなく、コミュニケーションを図ることに努力を厭わない姿が見られ、日本で培ってきたチームワークを如何なく発揮した。もう私がいなくとも、生徒は十分に上手くやっていけるであろう。
 現地の方々が“You are the best group I ever had!”と言ってくれたその言葉に、生徒の頑張りが全て詰まっているように感じる。そのような生徒たちと一緒にLA研修旅行に行け、私は非常に幸せ者である。生徒に感謝の気持ちでいっぱいである。  



【中学校】

■◆■千葉明徳中学校 教諭 永島 裕子■◆■

 紅葉にはまだ少し早い11月4日(日)から7日(水)、3泊4日の行程で、中学3年生40名は修学旅行に行ってきました。
 初日、11時45分に京都駅に到着。京都の最初の見学地は「平等院」。雲行きが怪しかったですが、到着したら雨もあがりました。微かに色づいた木々を入れながら平等院をカメラにおさめる生徒。10円玉と比べはじめる生徒もいました。その後、私自身が是非見せたかった「宇治源氏物語ミュージアム」へ。「垣間見」が実際に体験できたり、登場人物の「お香」の匂いを体験できたり、今後の古文の学習につながるきっかけとなりました。この日は、宿からの提供で女将さんが撮った「笑う鹿」のポストカードをいただき、全員が家庭に葉書を書いて投函しました。
 2日目は奈良を見聞。午前中は飛鳥寺、石舞台古墳。昼食は、地元のご婦人達手作りの明日香ならではの食事(黒米のちらし寿司、あいなめの塩焼きなど)を美味しくいただきました。満腹になった後は、明日香のサイクリングへ。ガイドさんを先頭に班で分かれ、雲一つない青空の明日香の地を駆けめぐっていました。キトラ古墳や高松塚古墳など古の不思議を肌で感じとっていたようです。
 3日目は、生徒達にとって待ちに待った班別自主研修日。朝方までの雨もやみ青空が広がる中、事前に立てた班別行動表を手にして、朝8時に各班が京都の宿をスタートしました。帰館時間の5分前には全ての班が無事に帰館。その表情には充実感が漂っていました。
 その夜は、「京都を紹介するCM」のテーマで各班のプレゼンテーションが行われました。宿に戻ってからのわずかな時間で準備をして、どの班も素晴らしい作品を作り上げました。そこには、「まとめて 書いて 発表する」力が凝縮されていたように感じました。
 最終日は、大徳寺大仙院で座禅体験。北野天満宮では多くの生徒が「水(みず)占(うら)みくじ」で「大吉だ。」「中吉だ。」「僕たち大吉ペア。」と盛り上がっていました。
 あっという間の3泊4日。その時間の中で、日頃の生活では経験できないことを、ひとり一人が心にぎっしり詰め込めたようです。
 最後に、行き帰りの新幹線車中、宿での過ごし方、時間や健康管理など、全員がお互いのために、人のために考え行動していた姿に、長い教員生活の中でも「素晴らしい」と感じたことを付け加えさせていただきます。



【短期大学】

■◆■千葉明徳短期大学 講師 池谷 潤子■◆■

 短期大学では、9月26日(水)午前・午後に、全千葉県私立幼稚園連合会、千葉市民間保育園協議会、近未来保育研究所(千葉県保育協議会)の加盟園及び千葉明徳学園系列6園を迎え、64法人98園による就業説明会が行われました。
 保育職は幼稚園、保育園、こども園からの求人が秋から増えるため、その流れに合わせて短期大学の学生も9月後半から本格的に動き始めることになります。
 8月の保育所、社会福祉施設での最後の2週間実習を終え、9月中旬のフィールドワーク「わくわく体験研修」でスペイン、カンボジア、ネパール、富山の訪問や富士登山などの経験によって見聞を広げて千葉に帰ってきた2年生にとって、就職活動のきっかけとして多くの園と出会い、初めての就職活動をスタートする機会です。
 今年度の新しい取り組みとして、開式の際に参加してくださっているすべての園の代表の方々にスピーチをお願いし、園での特徴的な取り組みや卒業生の活躍についてお聞きしました。1分間という短い時間ながら、ユーモアのある説明に笑いが溢れ、学生が各ブースを訪問するきっかけとなりました。その後、各ブースでは、園の保育内容や特色ついてパワーポイントや映像を使っての説明が行われました。
 午後はキャリアデザインの授業の一環として、1年生も参加させて頂きました。現在、1年生は月1回の幼稚園教育実習を行なっています。様々な園の取り組みや特色を知り、保育者の方々が語る実践をメモを取りながら、積極的に質問をしていた学生が多く、来場した園の先生方からもその熱心な態度が評価されました。
 これから就職活動が本格化していきますが、一人ひとりの学生が自分にあった進路選択ができるように、卒業まで支えていきたいと思います。



【やちまた】

■◆■明徳やちまたこども園 保育教諭 亀井 湧介■◆■

 11月8日にさくら組(3歳児クラス)とふじ組(4歳児クラス)で葛西臨海水族園へ遠足に行ってきました。天候にも恵まれ、秋空の下で食べるお弁当に、子どもたちもいつもと違った様子で楽しそうでした。
 館内では、入ってすぐのサメのコーナーに大興奮でした。さくら組は、「うわー、サメだー!」と興奮しながらも、周りの他のお客さんの様子を見ながら、「うわー、すごいね。」と小声で話し合っていました。友達と同じものを共有して楽しむようになってきたり、周りのことに関心を持ったり、公共の場であることを意識する様子に、3歳児ならではの楽しみ方・成長を感じました。ふじ組は、魚を見ながら「すごーい!」と楽しむだけでなく、「なんで口を開けているのかな」、「水を飲んでいるんじゃない」などと会話する様子も見られ、魚の不思議に触れ、疑問に感じ、考えるという姿に、3歳児とはまた一味違った成長を感じました。そうして遠足から帰ってきた子どもたちは皆、一回りも二回りも大きく見えました。
 後日、保護者の方からも「ペンギン見たよ!」等、家で楽しそうに話していたという声を沢山頂きました。子どもたちには、遠足だけでなく食事や遊びなど身近にある様々なものを通して楽しみながら自然の面白さを味わってもらいたい、その為にはまず私自身がもっと自然の面白さを知っていかなければといけないと感じました。  



【幼稚園】

■◆■千葉明徳短期大学附属幼稚園 副園長 綱川 千砂登■◆■

 千葉市内の幼稚園では保育の質の向上のため、教育研究会と称して、お互いの保育を公開し、教員同士で研究する日を毎年設けています。今年度は本園が公開園となりました。
 本園は恵まれた自然や広い園庭があることを生かし、園庭での遊びや自然物とのかかわりを大切に、それぞれの年齢なりに保育に取り入れるとともに、園庭の整備を重ねてきました。そこで、今年度は、子どもの生活の流れを大切にしながら、恵まれた自然環境がどう生かされているのか?子どもが好きな遊びをみつけているのか?人とのかかわりはどう広がっているのか?ということに重点をおいて研究を進めることにしました。また、園庭環境設計に携わっておられる、鶴見大学短期大学部の仙田考先生とご縁があり、講師をお願いすることにしました。
 迎えた当日、100名近くの先生方や来賓がお見えになり、子どもたちはどうかな?と思ったのですが、普段とさほど変わりない様子で、各年齢なりに秋の自然物を取り入れた遊びや、異年齢児とかかわる姿を見ていただくことができました。
 午後の全体会では、本園の50年の歩みや園庭づくりと園児についての説明、本日の保育の振り返りや質疑応答を経て、最後に仙田先生より、「園庭環境及び保育環境について」のお話をいただきました。
 参加者からは、「一人ひとりが、自分の遊びたい、やりたいという目的をもって遊んでいると感じました。継続して遊ぶコーナーがあることで、今日はここまでやり、明日もまたやろうという思いで登園できることがすばらしいと思いました。」、「子どもたちが自らチャレンジしてみようとしたり、年長児では帰りの活動時に話し合いをしたりと、“考える”“やってみる”力がつくので良いと感じました。」、「子どもたちが生き生きしていると感じました。やらせるのではなく、子どもたちがやりたいと思えるような環境設定、言葉かけは自分自身これからの保育に生かしていきたいです。」等、好意的な感想をたくさんいただきました。
 自然環境は、子どもの好奇心を揺さぶり、さまざまな体験へと広がり、同時に人とのかかわりも広がっていきます。そしてさまざまな体験と人とのかかわりにより、子ども一人ひとりが目的をもち、意欲的に生活することで、主体的な子どもが育ち、同時に生きる力の土台が育っていくと考えています。今後も子どもたちの遊びの姿を見つめながら、遊びが学びにつながるよう、子どもたちや保護者、保育者とともにめいとく森の自然を生かした園庭環境を創っていきたいと思います。



【浜野】

■◆■明徳浜野駅保育園 保育士(さくら組担任) 小森 海■◆■

 10月31日(水)に保育園では、みんなで楽しんじゃおう!をテーマに、 “ハロウィーンパーティー”がありました!
 街の雰囲気はハロウィーン一色!子ども達からも自然と「どの衣装を作ろうかな…」と聴こえてきました。さあ、衣装作りの始まりです!まずは自らのイメージを画用紙に描き下ろします。「ドラキュラ、魔女、ネコおばけ…」など、一人ひとりのイメージが絵を通して具体的になっていきます。そして必要なもの、素材も見えてきました。あとは友だち、保育者と相談しながら作り進めていくだけです。素材によっては「うまく描けない、うまくくっつかない」など困難もありますが、これも大切な経験。試行錯誤しながら作り進めていきます。作り始めて数日。服や帽子、マントなど、個性豊かなオリジナル衣装が完成しました!
 ハロウィーン当日。作った衣装を身にまとい、子ども達は保育園内を歩き回ります。ジャック・オー・ランタンを片手に「トリック・オア・トリート!おかしをくれないと、いたずらしちゃうぞ!」と楽しそうなやりとりが聴こえてきました。例年、未満児クラスの子ども達は、折り紙で作った特製キャンディーをプレゼントしてくれますが、今年は一味違います。キャンディーに加えて、5人の職員がシールを隠し持っています。見事探し当てると…園長から本物のマシュマロがもらえます。特製キャンディーと本物のマシュマロをもらい、とてもご満悦で幸せそうな子ども達でした。
 お迎えの時間。「着て帰りたい!」と言う子どもの言葉に「恥ずかしいからやめて…」と言う微笑ましい親子の会話もちらほら…。「ハッピーハロウィーン」の言葉とともに子ども達を送り出します。お気に入りの衣装を着た子ども達は、みんな笑顔でお家に帰って行くのでした☆



【本八幡】

■◆■明徳本八幡駅保育園 保育士 柳 真優■◆■

 保育士になって1年半が経ちました。今年は、1年目に担当していた7名をそのまま2歳児担任として担当しています。
 昨年から高熱が続き、病院に行くたび酷くなっていく症状に悩んだ末、扁桃摘出術を受けることにしました。入院、手術、自宅安静・療養で約1ヶ月間仕事を休みました。
 初めの1週間は術後の痛みとの闘いでしたが、痛みが徐々に和らいでいくと、子どもたち元気かな?と子どもたちに会いたい思いが強くなりました。
 職場復帰当日は、子どもたちに会うことが楽しみで保育園に向かいました。事務所の扉を開けると笑顔で「おかえり」と言ってくれる先輩方。素直に「ただいま」と言える環境に、お家のような温かさを感じました。保育室に入ると飛び切りの笑顔で「真優先生きた!」と喜んでくれる子どもたち。いつも私が抱きしめていた子どもたちが、私を抱きしめてくれました。
 休んでいた間の、1歳児の言葉の発達や2歳児の遊びの広がりには驚きました。パンツへ移行した子、髪の毛が伸びた子、立ったままパンツが履けるようになった子、トマトが食べられるようになった子、走るのが速くなった子、絵本を読み聞かせする子など、みんなの成長した姿にも驚かされました。ごっこ遊びなど1、2歳児とのやりとりが増え、子ども同士の関わりが育っていく姿を保育者として傍で見られることは、私にとって日々のやりがいです。私自身が本八幡で働きたいと思ったきっかけである先輩保育者と同じクラスを持てたことに感謝し、日々成長する子どもの育ちを支えていきたいと思う、復帰の一日となりました。
 やらなければならないことに悩むこともありますが、私にはその悩みを聞いてくれ強い味方となってくれる先輩がたくさんいます。2年間見てきた子どもたちの卒園、もうすぐ3年目となることについて不安はたくさんありますが、先輩の姿を見て今後も保育を学び、自分自身も成長していきたいと思っています。


【法人】

■◆■法人事務局 広報室■◆■

 11月22日(木)に学校法人千葉明徳学園理事会が開催されました。以下のとおり概要を報告します。

  理事8名出席、監事2名参加のもと、10時から本館1階理事応接室にて行われ、いずれの議案も承認されました。
■議事内容
第1議案 明徳本八幡駅保育園の運営規程変更について
第2議案 認定こども園千葉明徳短期大学附属幼稚園の園則変更について
第3議案 明徳やちまたこども園の園則(兼運営規程)変更について
第4議案 千葉明徳中学校・高等学校部室棟建設に関する進捗状況について
第5議案 第2グラウンド用地整備に関する進捗状況について
第6議案 その他

■報告事項
1.学生・生徒・園児の募集状況について
2.学校法人千葉明徳学園危機管理マニュアルの改定について
3.常任理事会報告について
4.その他 



【法人】

■◆■法人事務局 総務課■◆■

 この度、学校法人千葉明徳学園 危機管理マニュアルの改定を行いました。平成27年1月の作成以来、3年ぶりの改定となります。主な改定は、想定される自然災害、人災について、地震、火災、不審者に加え、新たに傷病者・アレルギー者対応を加えた点や、千葉市避難施設として本学園における学校関係者、一般避難者の使用スペースの割り振りを新たに追加したこと等です。その他にも、本学園が独自に契約している地震予兆センターの自然災害解析レポートの活用についてや学内AEDの設置個所について等も掲載されています。
 危機管理マニュアルは、各部門に20冊ずつ配布するとともに学園HPにも掲載しておりますので、本学園教職員の皆様は必ずご確認下さい。



【法人】

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