学園ニュース
学園ニュース 2025年10月号(299号)
【中学校】

■◆■千葉明徳中学校 教諭 白鳥 沙月■◆■
10月8日(水)、千葉明徳中学校 体育祭を開催しました。
今年度の体育祭は、高校がポートアリーナで実施し、中学校は同時刻に本校グラウンドでの開催となりました。直前まで台風の影響により天候の心配がありましたが、当日はそんな心配もいらなかったぐらいの体育祭日和となりました。
毎年恒例になりつつある、選手宣誓では堂々とした姿で面白おかしく宣誓をしてくれたところから始まり、全体種目の長縄跳びや綱引きでは各色男女別で学年を問わず協力している姿が見られました。また、学年種目では1学年 玉入れ・2学年 台風の目・3学年では大玉運びとそれぞれの学年の色が見られる種目となりました。個人種目の障害物競走や借り人競争では、生徒会役員の上手なアナウンスの中、1位を目指して一生懸命走っていました。そして何より盛り上がったのが各色の代表選手が集う色別対抗リレーでした。ここでは、教員選抜チームも参戦し、生徒対教員のレースに応援席からたくさんの歓声があがりました。競技数は少ないものの、それぞれが跳んだり・走ったり・投げたりと白熱した戦いが繰り広げられました。今年度の優勝は赤組となりましたが、勝ち負け関係なく生徒たちや教員から沢山の笑顔が見られ大いに盛り上がった体育祭となりました。
授業の中での練習ということで、短い練習期間のなかでここまでやりきれたのは生徒たちの「全力で楽しみたい」という思いがあるからこそだと思いますし、体育が苦手な生徒たちが増えているなかで、このように全力で楽しんでいる生徒たちを見ることができるのは体育科教員としてこの上ない喜びです。来年度もさらに盛り上がる体育祭になるよう実行委員を中心に企画・運営をしていきたいと思います。最後に、今年度は高校と同時刻開催ということで、中学職員の先生方のご協力がなければ実施することは難しかったと思います。ご協力いただいた全ての方々に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
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【高校】

■◆■千葉明徳高等学校 教諭 岡野 賢太郎■◆■
今年度の体育祭は、初めて千葉市ポートアリーナを会場として開催し、室内ならではの迫力と安全性を活かした新たな形での実施となりました。
紅白対抗戦では、白組が見事勝利を収めましたが、両組とも最後まで諦めず全力で競い合う姿が印象的でした。また、明徳の伝統である3年生による浴衣姿での民謡は、会場全体を包み込むような素晴らしい時間と思い出になりました。来年度は、今年の経験を活かし、より円滑な運営と感動ある発表の両立を目指し、生徒一人ひとりが輝ける体育祭を創り上げていきたいと思います。
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【浜野】

■◆■明徳浜野駅保育園 保育士 吉田 勇太■◆■
厳しい夏の暑さが落ち着き、涼しい風が吹き始めると、本園では毎年恒例の【おたのしみ会】の季節を迎えます。
ところが今年は、開園以来16年目にして初めて、この行事を中止せざるを得ませんでした。そもそもなぜ「運動会」ではなく「おたのしみ会」なのか――それには理由があります。まず大前提として、園庭を持たない本園が、公園を独占して運動技能や競技性を重視した活動を行うことは難しいという現状があります。せっかく保護者の皆さまにもご参加いただくのなら、ただ競うだけでなく「みんなで楽しめる一日」にしたい。そんな思いから、子どもたちが日頃楽しんでいる遊びや活動を保護者と共有できる機会として「おたのしみ会」という名称で実施してきました。
今回も「みんなのストーリー&ひろがるイメージ」をテーマに、各クラスが親しんできた絵本や歌をもとに活動を広げ、遊びを通して気持ちを高めていきました。
また、明徳学園の自然に囲まれた豊かな環境の中でのびのびと活動できる素晴らしさを、より多くの方に感じていただきたいという思いから、この行事は開園当初より附属幼稚園で続けてきた伝統でもあります。
日々の保育の積み重ねにより、子どもたちの期待が高まる中、最も心配だったのは天候でした。千葉県付近に2つの台風が接近しているとの情報に職員も緊張を隠せず、そして10月11日(土)の朝、未明から小雨が降り続き、道路にはいくつもの水たまりができていました。出勤した職員で話し合いを重ねた結果、「中止」という苦渋の決断に至り、その旨を各ご家庭にお伝えしました。
話し合いの中では、これまでの活動を通して育まれた子どもたちの気持ちや、成長した姿を楽しみにされていた保護者の思いにどう寄り添うか、そして私たちに何ができるのかを考え、アイデアを出し合いました。その結果、子どもたちが取り組んできた遊びの様子を写真でまとめて壁新聞にすること、また年間予定にはなかった臨時の保育参加日を設け、直接披露したり一緒に遊んだりする機会をつくることに決まりました。
連休明けの登園日には、「残念でしたね」「お家でダンスパーティーをしました」などの声が多く聞かれ、また「ここまで準備してくださってありがとうございます」「先生たちこそ大変でしたよね」と、温かい励ましのお言葉もいただきました。その言葉に、私たち職員も胸が熱くなり、改めて保護者の皆さまと一緒に子どもたちを育てているのだと実感しました。
これからも、私たちの保育も子どもたちの成長も続いていきます。計画どおりにいかないこともありますが、どんな時も子どもたちと共に歩みながら、より大きく成長していけるよう職員一同努めてまいります。
なお、掲載しているTシャツは、新人職員2人がデザインしたものです。学園100周年を記念し、本園のゆるキャラ「めいとくん」とのコラボデザインとなっています。残念ながら会では着用できませんでしたが、今後の保育活動の中で身に着けながら、子どもたちと楽しい思い出を重ねていきたいと思います。
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【短大】

■◆■千葉明徳短期大学 准教授 中嶋 一郎■◆■
本年度も9月7日~13日の6泊7日でフィールドワークの授業で受講した学生6名と共に沖縄県伊江村に赴いて、伊江村の小学校・保育所・障がい者支援施設、そして自然豊かな伊江島をフィールドに様々な活動を行ってきました。
この授業の目的(キーワード)は「自己理解」「他者理解」「共生社会」です。この目的を達成するために、普段の生活では触れることができない文化や自然環境の中で自己と向き合い内省を通じた自己との対話、伊江島で生活する様々な立場の人、そして参加した学生同士が交流し、対話をすることで自己理解、他者理解そして共に生きていくこと(共生社会)に大事なことについて各々が考える機会を提供することを企図しています。
今年は例年に比して、特に参加した学生同士の対話の機会が多く、プログラムが進むにつれて参加したメンバーの関係性が良好な関係となっていく様が見られました。普段の大学生活では時間をかけて互いが自身のことを話す機会を持つことが出来ていないメンバーでしたが、皆で生活を共にする伊江島での環境が今回のメンバーには対話をする機会を促す要因になっていました。
また、具体的な対話の内容については言及を避けますが、普段の生活では人に話すことが出来ないであろうそれぞれの過去や生い立ちについての話、そして自身の趣味趣向などが話題になっており、この内容が互いの理解を深める結果になっていたと思います。そして自身の話を他者にすることが、同時に話をした人の自己理解を深める結果にもつながっていると感じました。
このことから、自己理解、他者理解を促すためには、自身と違う要素を持つ対象(文化・環境・他者の人生及び価値観)と触れ合い、対話を重ねていくことが必要な要素であることを改めて認識する機会となりました。また、この土台の延長線上に「共生社会」を構築するためのヒントがあると再確認することもできました。
最後に、参加された学生さんは伊江島での体験によって、それぞれの行動や様々な価値観に変化も見られており、社会で自立するために必要な自立性や共感性にポジティブな変化が見られていることも併せてお伝えいたします。今後の彼らの活躍が楽しみです。
来年度も引き続き今回の授業内容を踏襲し、参加者の特性を考慮したプログラムを組み立てていければと思います。
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【やちまた】

■◆■明徳やちまたこども園 保育教諭 渡邊 美咲■◆■
10月13日(月・祝)、幼児クラスの「かまきり運動会」を行いました。
私が担任する3歳児の子どもたちにとっては、初めての運動会。そして私自身も、今年初めて幼児クラスの担任を受け持ったことから、不安でいっぱいのスタートでした。
少しずつ練習を進めていく中で、ダンスを始めると楽しそうに踊る子もいれば、「やらない」と座り込む子、走り回る子もいて、なかなか全員で取り組むことが難しい日々が続きました。どうしたらみんなが楽しめるのか、うまく進められない自分に悔しさを感じることもありました。
そんなとき、先輩保育者から「無理に誘うのではなく、“見ていることも参加”と考えてみたら?」とアドバイスをもらいました。そこで、「踊らないお友だちはお客さんになって見てみよう」と声をかけてみることにしました。
すると、見ていた子どもたちも少しずつ気持ちがダンスに向き始め、「やらない」と言っていた子も次第に体を動かし、笑顔があふれる時間が増えていきました。
3歳児にとって「運動会」という行事のイメージをつかむのは難しかったと思いますが、4・5歳児のお兄さんお姉さんに見てもらうことで自信が芽生え、逆に上の学年の姿を見て憧れの気持ちが生まれるなど、良い刺激を受けていました。予行練習の頃には「おうちの人に見てもらうのが楽しみ!」と話すようになり、子どもたちの中で運動会への期待が高まっていきました。
また、大人や友だちと一緒に何度も走るうちに「ぼく速いでしょ!」と誇らしげに話す姿も見られ、私自身も子どもたちと同じように、不安から楽しみへと気持ちが変化していきました。
迎えた当日、園全体がいつもと違う雰囲気に包まれ、緊張する子の姿もありましたが、かけっこでは名前を呼ばれると「はい!」と元気に返事をし、手をしっかり挙げることができました。
ダンスでは緊張で動けなくなる子もいましたが、歌いながら楽しそうに踊る子もいて、全員が園庭の中央に立つことができました。その姿に、一人ひとりの大きな成長を感じました。
運動会は終わりましたが、子どもたちが夢中になっていたかけっこやダンスを、これからも日々の保育の中で取り入れながら、楽しみを広げていきたいと思います。
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【本八幡】

■◆■明徳本八幡駅保育園 保育士 髙松 伽凪■◆■
寒くなる中、少しずつ秋や十五夜(お月見)を感じられるように、玄関や廊下には「おつきみってなに?」「あきのたべものってなに?」といった簡単なクイズを掲示したり、月の満ち欠けカレンダーを貼り出したりしてきました。
夕方、窓から外を眺めて「お月さま見えるかな」と話す子どもたちの姿や、保護者と一緒に月を見たこと、逆に「見えなかったよ」と友だちや保育者に伝える姿も見られました。各クラスでは、お月見にちなんで「月」や「うさぎ」をテーマに、子どもたちと一緒に製作を楽しみました。0・1・2歳児は絵の具や花紙、シールを使い、3・4・5歳児は折り紙やハサミで画用紙・カラーセロファンを切るなど、さまざまな素材に触れながら自由に表現していました。
『豊作を祈り、お供えをする行事』と一言でまとめることはできますが、子どもたちに由来を伝えることの難しさも感じました。そこで、絵本やスケッチブックシアターを通してお話を伝える中で、子どもたちは「お月さまにお願いをする」「お月さまにお供えをして食べてもらう」といった想像をふくらませていきました。十五夜当日には、各クラスでお供えの時間を設けました。1・2歳児は新聞紙を丸めて折り紙で包んだお団子や、小麦粉粘土で丸めたお団子を作り、ままごとコーナーの食材を井形ブロックで作ったお皿に盛りつけてお供えしました。3・4・5歳児は箱に画用紙を貼って作った三方(さんぽう)に、粘土で作ったお団子を載せてお供えしました。翌日、お供えのお皿だけが残っているのを見て「お団子がない!」「お月さまが食べたー!」と喜ぶ子どもたちの姿が印象的でした。子どもたちの豊かな想像力とともに、行事を通して季節の移り変わりや日本の文化に親しむ時間を、これからも大切にしていきたいと思います。
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【幼稚園】

■◆■千葉明徳短期大学附属幼稚園 保育教諭 田辺 奈波■◆■
10月17日(金)、年中・年長組の運動会が開催されました。
前日の雨で芝生が濡れていたため、職員で芝生を乾かしたり、テントや万国旗などの準備をしたりして、環境を整えて当日を迎えることができました。
子どもたちは春から様々な曲に合わせて踊ったり、戸外でコースを走ったりしてきました。夏の間は暑さのために戸外へ出られない日も続きましたが、学年やクラスごとに工夫をしながら練習を重ね、その経験が子どもたちの自信へとつながっていきました。
年中組では、動物が登場する曲に合わせて踊りました。動物の鳴き声に合わせたポーズは、子どもたちが皆で話し合って決めたもので、一人ひとりが愛着をもって表現していました。
年長組では「チアダンス」と「フラッグ」の2種目から自分の好きな方を選び、練習を重ねてきました。昨年度の年長組の姿を憧れの目で見ていたこともあり、踊りを心待ちにしていた子が多くいました。当日は、保護者や年中組の子どもたちに見られているという緊張感の中で、「素敵に踊りたい」という思いを胸に、一生懸命に取り組む姿が見られました。
また、翌週の10月21日(火)には年少組の運動会が行われました。初めての運動会ということもあり、手足を一生懸命に伸ばして踊ったり、保護者を見つけて泣いたりするなど、この学年ならではの愛らしい姿がたくさん見られました。
どの学年も最後には保護者と一緒に「がんばったね」という曲を踊り、子どもたちの成長を喜び合いました。
どの園や学校においても、運動会は準備に多くの時間と労力を要する行事です。しかし、その分、子どもたちが運動会に向けて努力する過程や成長の姿は、毎年職員一同大きく感じています。子どもたちにとっても、そして職員にとっても、「がんばったね」と声をかけたくなるような温かな運動会となりました。
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【法人事務局】

■◆■法人事務局 企画管理課長 海老沢 太郎■◆■
創立100周年記念事業の一環として、未来へ想いをつなぐ「タイムカプセル」を制作しました。
ひとつは100年後、もうひとつは1000年後に開封されるもので、それぞれ「MEITOKU TIME CAPSULE 2/3 2025→2125」「MEITOKU TIME CAPSULE 3/3 2025→3025」と名づけられ、令和7年10月9日(木)、本学園の敷地内に埋設されました。いずれも、これからの時代を担う人々に向けて、明徳の精神と学びの足跡、そして現代の文化等を託したものです。
そして残るもう一つのカプセルは、「未来」ではなく「過去」に焦点を当てた展示会空間という形を取りました。「MEITOKU TIME CAPSULE 1/3 1925→2025」 『追憶』と題したこの展示は、本館2階「明徳館」にて開催されています。創立から100年にわたる学園の歩みの中から、戦前・戦後期を中心に貴重な資料を公開。教育制度の移り変わりや当時の学校生活の様子、先人たちの努力を物語る物品、資料など、時代を超えて息づく“明徳の灯”を感じることができます。
特に注目を集めているのは、今日まで大切に保管してきた「教育勅語」です。日本の教育の歴史を学ぶ上で非常に貴重な資料として、展示の中心に据えられています。
展示会場には、当時の教室を再現したコーナーや、古いオルガン、教科書、学園施設の変遷が分かる年代ごとの航空写真など、往時をしのばせる展示物も多数並びます。入口には、昭和初期の授業風景を映した写真が大きく掲載され、訪れる人々に100年の時間の流れを実感させます。
明徳館の静かな展示空間の中で、創立以来の“学びの軌跡”をたどり、未来へとつながる学園の原点を感じていただければ幸いです。
開催期間:令和7年10月24日(金)~令和7年11月20日(木)
会場:学園本館2階 明徳館
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■◆■千葉明徳中学校 教諭 白鳥 沙月■◆■
10月8日(水)、千葉明徳中学校 体育祭を開催しました。
今年度の体育祭は、高校がポートアリーナで実施し、中学校は同時刻に本校グラウンドでの開催となりました。直前まで台風の影響により天候の心配がありましたが、当日はそんな心配もいらなかったぐらいの体育祭日和となりました。
毎年恒例になりつつある、選手宣誓では堂々とした姿で面白おかしく宣誓をしてくれたところから始まり、全体種目の長縄跳びや綱引きでは各色男女別で学年を問わず協力している姿が見られました。また、学年種目では1学年 玉入れ・2学年 台風の目・3学年では大玉運びとそれぞれの学年の色が見られる種目となりました。個人種目の障害物競走や借り人競争では、生徒会役員の上手なアナウンスの中、1位を目指して一生懸命走っていました。そして何より盛り上がったのが各色の代表選手が集う色別対抗リレーでした。ここでは、教員選抜チームも参戦し、生徒対教員のレースに応援席からたくさんの歓声があがりました。競技数は少ないものの、それぞれが跳んだり・走ったり・投げたりと白熱した戦いが繰り広げられました。今年度の優勝は赤組となりましたが、勝ち負け関係なく生徒たちや教員から沢山の笑顔が見られ大いに盛り上がった体育祭となりました。
授業の中での練習ということで、短い練習期間のなかでここまでやりきれたのは生徒たちの「全力で楽しみたい」という思いがあるからこそだと思いますし、体育が苦手な生徒たちが増えているなかで、このように全力で楽しんでいる生徒たちを見ることができるのは体育科教員としてこの上ない喜びです。来年度もさらに盛り上がる体育祭になるよう実行委員を中心に企画・運営をしていきたいと思います。最後に、今年度は高校と同時刻開催ということで、中学職員の先生方のご協力がなければ実施することは難しかったと思います。ご協力いただいた全ての方々に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
【高校】

■◆■千葉明徳高等学校 教諭 岡野 賢太郎■◆■
今年度の体育祭は、初めて千葉市ポートアリーナを会場として開催し、室内ならではの迫力と安全性を活かした新たな形での実施となりました。
紅白対抗戦では、白組が見事勝利を収めましたが、両組とも最後まで諦めず全力で競い合う姿が印象的でした。また、明徳の伝統である3年生による浴衣姿での民謡は、会場全体を包み込むような素晴らしい時間と思い出になりました。来年度は、今年の経験を活かし、より円滑な運営と感動ある発表の両立を目指し、生徒一人ひとりが輝ける体育祭を創り上げていきたいと思います。
【浜野】

■◆■明徳浜野駅保育園 保育士 吉田 勇太■◆■
厳しい夏の暑さが落ち着き、涼しい風が吹き始めると、本園では毎年恒例の【おたのしみ会】の季節を迎えます。
ところが今年は、開園以来16年目にして初めて、この行事を中止せざるを得ませんでした。そもそもなぜ「運動会」ではなく「おたのしみ会」なのか――それには理由があります。まず大前提として、園庭を持たない本園が、公園を独占して運動技能や競技性を重視した活動を行うことは難しいという現状があります。せっかく保護者の皆さまにもご参加いただくのなら、ただ競うだけでなく「みんなで楽しめる一日」にしたい。そんな思いから、子どもたちが日頃楽しんでいる遊びや活動を保護者と共有できる機会として「おたのしみ会」という名称で実施してきました。
今回も「みんなのストーリー&ひろがるイメージ」をテーマに、各クラスが親しんできた絵本や歌をもとに活動を広げ、遊びを通して気持ちを高めていきました。
また、明徳学園の自然に囲まれた豊かな環境の中でのびのびと活動できる素晴らしさを、より多くの方に感じていただきたいという思いから、この行事は開園当初より附属幼稚園で続けてきた伝統でもあります。
日々の保育の積み重ねにより、子どもたちの期待が高まる中、最も心配だったのは天候でした。千葉県付近に2つの台風が接近しているとの情報に職員も緊張を隠せず、そして10月11日(土)の朝、未明から小雨が降り続き、道路にはいくつもの水たまりができていました。出勤した職員で話し合いを重ねた結果、「中止」という苦渋の決断に至り、その旨を各ご家庭にお伝えしました。
話し合いの中では、これまでの活動を通して育まれた子どもたちの気持ちや、成長した姿を楽しみにされていた保護者の思いにどう寄り添うか、そして私たちに何ができるのかを考え、アイデアを出し合いました。その結果、子どもたちが取り組んできた遊びの様子を写真でまとめて壁新聞にすること、また年間予定にはなかった臨時の保育参加日を設け、直接披露したり一緒に遊んだりする機会をつくることに決まりました。
連休明けの登園日には、「残念でしたね」「お家でダンスパーティーをしました」などの声が多く聞かれ、また「ここまで準備してくださってありがとうございます」「先生たちこそ大変でしたよね」と、温かい励ましのお言葉もいただきました。その言葉に、私たち職員も胸が熱くなり、改めて保護者の皆さまと一緒に子どもたちを育てているのだと実感しました。
これからも、私たちの保育も子どもたちの成長も続いていきます。計画どおりにいかないこともありますが、どんな時も子どもたちと共に歩みながら、より大きく成長していけるよう職員一同努めてまいります。
なお、掲載しているTシャツは、新人職員2人がデザインしたものです。学園100周年を記念し、本園のゆるキャラ「めいとくん」とのコラボデザインとなっています。残念ながら会では着用できませんでしたが、今後の保育活動の中で身に着けながら、子どもたちと楽しい思い出を重ねていきたいと思います。
【短大】

■◆■千葉明徳短期大学 准教授 中嶋 一郎■◆■
本年度も9月7日~13日の6泊7日でフィールドワークの授業で受講した学生6名と共に沖縄県伊江村に赴いて、伊江村の小学校・保育所・障がい者支援施設、そして自然豊かな伊江島をフィールドに様々な活動を行ってきました。
この授業の目的(キーワード)は「自己理解」「他者理解」「共生社会」です。この目的を達成するために、普段の生活では触れることができない文化や自然環境の中で自己と向き合い内省を通じた自己との対話、伊江島で生活する様々な立場の人、そして参加した学生同士が交流し、対話をすることで自己理解、他者理解そして共に生きていくこと(共生社会)に大事なことについて各々が考える機会を提供することを企図しています。
今年は例年に比して、特に参加した学生同士の対話の機会が多く、プログラムが進むにつれて参加したメンバーの関係性が良好な関係となっていく様が見られました。普段の大学生活では時間をかけて互いが自身のことを話す機会を持つことが出来ていないメンバーでしたが、皆で生活を共にする伊江島での環境が今回のメンバーには対話をする機会を促す要因になっていました。
また、具体的な対話の内容については言及を避けますが、普段の生活では人に話すことが出来ないであろうそれぞれの過去や生い立ちについての話、そして自身の趣味趣向などが話題になっており、この内容が互いの理解を深める結果になっていたと思います。そして自身の話を他者にすることが、同時に話をした人の自己理解を深める結果にもつながっていると感じました。
このことから、自己理解、他者理解を促すためには、自身と違う要素を持つ対象(文化・環境・他者の人生及び価値観)と触れ合い、対話を重ねていくことが必要な要素であることを改めて認識する機会となりました。また、この土台の延長線上に「共生社会」を構築するためのヒントがあると再確認することもできました。
最後に、参加された学生さんは伊江島での体験によって、それぞれの行動や様々な価値観に変化も見られており、社会で自立するために必要な自立性や共感性にポジティブな変化が見られていることも併せてお伝えいたします。今後の彼らの活躍が楽しみです。
来年度も引き続き今回の授業内容を踏襲し、参加者の特性を考慮したプログラムを組み立てていければと思います。
【やちまた】

■◆■明徳やちまたこども園 保育教諭 渡邊 美咲■◆■
10月13日(月・祝)、幼児クラスの「かまきり運動会」を行いました。
私が担任する3歳児の子どもたちにとっては、初めての運動会。そして私自身も、今年初めて幼児クラスの担任を受け持ったことから、不安でいっぱいのスタートでした。
少しずつ練習を進めていく中で、ダンスを始めると楽しそうに踊る子もいれば、「やらない」と座り込む子、走り回る子もいて、なかなか全員で取り組むことが難しい日々が続きました。どうしたらみんなが楽しめるのか、うまく進められない自分に悔しさを感じることもありました。
そんなとき、先輩保育者から「無理に誘うのではなく、“見ていることも参加”と考えてみたら?」とアドバイスをもらいました。そこで、「踊らないお友だちはお客さんになって見てみよう」と声をかけてみることにしました。
すると、見ていた子どもたちも少しずつ気持ちがダンスに向き始め、「やらない」と言っていた子も次第に体を動かし、笑顔があふれる時間が増えていきました。
3歳児にとって「運動会」という行事のイメージをつかむのは難しかったと思いますが、4・5歳児のお兄さんお姉さんに見てもらうことで自信が芽生え、逆に上の学年の姿を見て憧れの気持ちが生まれるなど、良い刺激を受けていました。予行練習の頃には「おうちの人に見てもらうのが楽しみ!」と話すようになり、子どもたちの中で運動会への期待が高まっていきました。
また、大人や友だちと一緒に何度も走るうちに「ぼく速いでしょ!」と誇らしげに話す姿も見られ、私自身も子どもたちと同じように、不安から楽しみへと気持ちが変化していきました。
迎えた当日、園全体がいつもと違う雰囲気に包まれ、緊張する子の姿もありましたが、かけっこでは名前を呼ばれると「はい!」と元気に返事をし、手をしっかり挙げることができました。
ダンスでは緊張で動けなくなる子もいましたが、歌いながら楽しそうに踊る子もいて、全員が園庭の中央に立つことができました。その姿に、一人ひとりの大きな成長を感じました。
運動会は終わりましたが、子どもたちが夢中になっていたかけっこやダンスを、これからも日々の保育の中で取り入れながら、楽しみを広げていきたいと思います。
【本八幡】

■◆■明徳本八幡駅保育園 保育士 髙松 伽凪■◆■
寒くなる中、少しずつ秋や十五夜(お月見)を感じられるように、玄関や廊下には「おつきみってなに?」「あきのたべものってなに?」といった簡単なクイズを掲示したり、月の満ち欠けカレンダーを貼り出したりしてきました。
夕方、窓から外を眺めて「お月さま見えるかな」と話す子どもたちの姿や、保護者と一緒に月を見たこと、逆に「見えなかったよ」と友だちや保育者に伝える姿も見られました。各クラスでは、お月見にちなんで「月」や「うさぎ」をテーマに、子どもたちと一緒に製作を楽しみました。0・1・2歳児は絵の具や花紙、シールを使い、3・4・5歳児は折り紙やハサミで画用紙・カラーセロファンを切るなど、さまざまな素材に触れながら自由に表現していました。
『豊作を祈り、お供えをする行事』と一言でまとめることはできますが、子どもたちに由来を伝えることの難しさも感じました。そこで、絵本やスケッチブックシアターを通してお話を伝える中で、子どもたちは「お月さまにお願いをする」「お月さまにお供えをして食べてもらう」といった想像をふくらませていきました。十五夜当日には、各クラスでお供えの時間を設けました。1・2歳児は新聞紙を丸めて折り紙で包んだお団子や、小麦粉粘土で丸めたお団子を作り、ままごとコーナーの食材を井形ブロックで作ったお皿に盛りつけてお供えしました。3・4・5歳児は箱に画用紙を貼って作った三方(さんぽう)に、粘土で作ったお団子を載せてお供えしました。翌日、お供えのお皿だけが残っているのを見て「お団子がない!」「お月さまが食べたー!」と喜ぶ子どもたちの姿が印象的でした。子どもたちの豊かな想像力とともに、行事を通して季節の移り変わりや日本の文化に親しむ時間を、これからも大切にしていきたいと思います。
【幼稚園】

■◆■千葉明徳短期大学附属幼稚園 保育教諭 田辺 奈波■◆■
10月17日(金)、年中・年長組の運動会が開催されました。
前日の雨で芝生が濡れていたため、職員で芝生を乾かしたり、テントや万国旗などの準備をしたりして、環境を整えて当日を迎えることができました。
子どもたちは春から様々な曲に合わせて踊ったり、戸外でコースを走ったりしてきました。夏の間は暑さのために戸外へ出られない日も続きましたが、学年やクラスごとに工夫をしながら練習を重ね、その経験が子どもたちの自信へとつながっていきました。
年中組では、動物が登場する曲に合わせて踊りました。動物の鳴き声に合わせたポーズは、子どもたちが皆で話し合って決めたもので、一人ひとりが愛着をもって表現していました。
年長組では「チアダンス」と「フラッグ」の2種目から自分の好きな方を選び、練習を重ねてきました。昨年度の年長組の姿を憧れの目で見ていたこともあり、踊りを心待ちにしていた子が多くいました。当日は、保護者や年中組の子どもたちに見られているという緊張感の中で、「素敵に踊りたい」という思いを胸に、一生懸命に取り組む姿が見られました。
また、翌週の10月21日(火)には年少組の運動会が行われました。初めての運動会ということもあり、手足を一生懸命に伸ばして踊ったり、保護者を見つけて泣いたりするなど、この学年ならではの愛らしい姿がたくさん見られました。
どの学年も最後には保護者と一緒に「がんばったね」という曲を踊り、子どもたちの成長を喜び合いました。
どの園や学校においても、運動会は準備に多くの時間と労力を要する行事です。しかし、その分、子どもたちが運動会に向けて努力する過程や成長の姿は、毎年職員一同大きく感じています。子どもたちにとっても、そして職員にとっても、「がんばったね」と声をかけたくなるような温かな運動会となりました。
【法人事務局】

■◆■法人事務局 企画管理課長 海老沢 太郎■◆■
創立100周年記念事業の一環として、未来へ想いをつなぐ「タイムカプセル」を制作しました。
ひとつは100年後、もうひとつは1000年後に開封されるもので、それぞれ「MEITOKU TIME CAPSULE 2/3 2025→2125」「MEITOKU TIME CAPSULE 3/3 2025→3025」と名づけられ、令和7年10月9日(木)、本学園の敷地内に埋設されました。いずれも、これからの時代を担う人々に向けて、明徳の精神と学びの足跡、そして現代の文化等を託したものです。
そして残るもう一つのカプセルは、「未来」ではなく「過去」に焦点を当てた展示会空間という形を取りました。「MEITOKU TIME CAPSULE 1/3 1925→2025」 『追憶』と題したこの展示は、本館2階「明徳館」にて開催されています。創立から100年にわたる学園の歩みの中から、戦前・戦後期を中心に貴重な資料を公開。教育制度の移り変わりや当時の学校生活の様子、先人たちの努力を物語る物品、資料など、時代を超えて息づく“明徳の灯”を感じることができます。
特に注目を集めているのは、今日まで大切に保管してきた「教育勅語」です。日本の教育の歴史を学ぶ上で非常に貴重な資料として、展示の中心に据えられています。
展示会場には、当時の教室を再現したコーナーや、古いオルガン、教科書、学園施設の変遷が分かる年代ごとの航空写真など、往時をしのばせる展示物も多数並びます。入口には、昭和初期の授業風景を映した写真が大きく掲載され、訪れる人々に100年の時間の流れを実感させます。
明徳館の静かな展示空間の中で、創立以来の“学びの軌跡”をたどり、未来へとつながる学園の原点を感じていただければ幸いです。
開催期間:令和7年10月24日(金)~令和7年11月20日(木)
会場:学園本館2階 明徳館



